大きな円(半径 R)の内側に接しながら、小さな円(半径 r)を滑らずに転がすと、小さな円の周上の点は「ハイポサイクロイド」という曲線を描きます。R = 2r のとき、その曲線はつぶれて大きな円の直径になり、点は一直線上を往復します。13世紀ペルシャの天文学者ナスィールッディーン・トゥースィーが1247年に示した仕組みで、「トゥーシーの対(Tusi couple)」と呼ばれます。円運動だけから直線運動を作れるこの工夫は惑星運動のモデルに使われ、のちにコペルニクスの著作にも同じ仕組みが現れます。
式で見ると、点の位置は逆向きに回る2つの回転 r eiωt と r ei(φ₀−ωt) の和です。2つを足すと虚数部分が打ち消し合い、2r cos(ωt − φ₀/2) eiφ₀/2、つまり角度 φ₀/2 の直線上で長さだけが cos で伸び縮みする「単振動」になります。「2つの回転ベクトル」をオンにすると、その足し算が見えます。